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執筆者の写真佐是 恒淳

『種痘の扉』第一章十節

 第一章「遠鳴」十節「蝦夷宗谷」では、レザノフ一行を穏便に帰らせた馬場為八郎が褒賞を受け、立派に昇進を果たしました。折衝能力が高く評価されたためでした。今後ロシアとの交渉が必要となれば為八郎が当たるということです。

 

 為八郎は江戸の天文方勤務となり蘭書翻訳と蝦夷調査に当たりますが、一年もたたないうちに蝦夷地調査へ出張に出ることになりました。その空白を埋めるために息子佐十郎が長崎から呼び出され天文方の翻訳業務を担うことになります。佐十郎が初めて世間に出て仕事をする道筋を付けて為八郎は江戸を出達、蝦夷に向かいます。







 
















甲府 武田神社

閲覧数:16回2件のコメント

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2 Comments


北薗 洋藏
北薗 洋藏
Dec 24, 2022

佐是様、毎回楽しんでいます。


いよいよ佐十郎の活躍が始まりそう、翻訳は勿論のことどんな仕事を成していくか楽しみです。

レザノフの悪だくみが巡り巡って、佐十郎に活躍の場が与えられるのも不思議な気がします。

牛痘種痘導入への長い道のりをしっかり読んでいきたいと思っています。

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佐是 恒淳
佐是 恒淳
Dec 24, 2022
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北薗様、

コメントありがとうございます。

佐十郎が天文方で仕事を始めるのは、たしかに露寇から巡り巡って下りてきた僥倖かもしれません。日本人が拉致され、警備の責任をとって切腹する侍まで出たのですから大変な事件でした。相手がよくわからない分、不気味であり、意図不明で、ほんとうに国難でした。東北の雄藩は多くの家臣を北海道に派兵しました。そんな危機に、輝くように語学の天才が現れます。タイミングといい、能力といい、佐十郎は、日本の国難に天が遣わしたのかと思えるほどの人材だと思います。佐十郎のお陰で、多くのことが動き始めます。

                            恒淳   

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