容敬の生い立ちから、容保の養子縁組、会津藩の房総警固までを知っていただく節です。幕末期では、様々な事情や人物の歩みが複雑に絡みあっているので、数十年前まで遡らなくては理解しにくいことが沢山あります。第一章では、なぜ会津藩が京都守護職を担わなくてはならなかったのか、という点を明らかにすることが私なりの狙いの一つです。
そこに到るには、たくさんの「なぜ」に答えなければなりません。
―なぜ幕府は京都守護職を新設しなければならなかったのか
―なぜそれほどまでに京都の治安は乱れたのか
―なぜ幕府は威信を失墜させたのか
―なぜ朝廷は幕府に不信感を抱いたのか
―なぜ幕府は勅許なく日米修好通商条約を締結したのか
―なぜ朝廷は日米修好通商条約に強く反対したのか
―なぜ朝廷は日米和親条約に何の不満も抱かなかったのか
―なぜ徳川斉昭は開国に反対したのか などなど
本当に、疑問の連続です。勉強すれば、これらの答えは分かりますが、それを小説の面白さを保ってストーリーに組み上げ、登場人物の心情に分け入って歴史の流れを観ることが幕末小説を書く難しさだと思います。読者の方々には、複雑な絡み合いをたどる拙い筆を楽しんでいただければ、書き手の悦びはこれに尽きます。毎回、ご愛読ありがとうございます。
略年表を掲載させていただきました。御参考になれば幸いです。
恒淳
佐是様、毎回ありがとうございます。
八代会津藩主容敬の数奇な人生に興味を惹かれました。
田中三郎兵衛の先見の明と行動力に感服します。「花ならば花咲かん」も近いうちに買い求めようと思っています。
大名家存続の苦労とは真逆かもしれませんが、部屋住みの心情の複雑さも考えさせられました。
外圧が強まりつつあり展開が早くなりそうですが、略年表も参考にしつつ読み進めていきます。