四人の視点から、開国か攘夷か、国論を二分する文久年間の動乱を描きます。第一章は松平容保です。
会津藩には、戊辰戦争で激烈な戦争に追い込まれ、ついに新政府軍に降伏を余儀なくされる悲劇が待ち受けます。この藩の成り立ちから始まり、やむなく京都守護職を拝命せざるをえなかった事情を小説的に追いました。京都では、孝明天皇からあつい信頼を寄せられながら、鮮やかな活躍ぶりが仇となって長州から目の敵にされることになります。正義感をもって激流に漕ぎ出し、時代の潮流に翻弄された悲劇の発端をお伝えしたいと思います。
十年も前に書いて、筐底にしまってあった作品に大幅に手を入れて、今度こそ、公表しようと決心しました。どうぞ、ご愛読を賜れば幸いです。
再建されて久しい会津鶴ヶ城です。私の幼少のころ、あろうことか、本丸の広大な跡地は競輪場にさえなっていたことを覚えています。
佐是様、『四本の歩跡』楽しみに読み進めていきたいと思っています。
武家、公家それぞれ違った立場での幕末維新への展開に期待しています。
容保の正室も天然痘だったとは、この病への恐怖は私たちが想像する以上のものだったのだと思います。
私は、松平容保は保科正之の作った会津家訓に縛られてしまった不運な大名だという理解をしています。生きた時代が違いますが、正之、容保ともに名君には違いないと思っています。